FRPに携わる全ての人々へ・・・ |
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高価な金属を使用した製品や高温に耐える素材等の代替品として、耐用年数が得られる重防蝕分野としてガラス繊維と樹脂の組合わせによる実績評価から大いに展開されています。
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1.耐蝕層 | 耐蝕性を付与するための層、全般をいいます。 |
2.表 層 | 直接ガス、薬液に接触し適正な耐蝕性を付与するための層です。 |
3.中間層 | 表層の外側層で適正な耐蝕性を有し強度も分担する層です。 |
4.強化層 | 外層〜中間層の外側の層で製品に適正な構造強度を付与する層です。 |
5.最外層 | 強化層の最外層で大気に接し耐候性などを向上させる層です。 |
標準ラミネート構成 | |
ハンドレイ成型法に使用する樹脂及びガラス繊維などの補強材については 顧客の使用される薬液、ガス等により適正な材料を選定する。 |
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1.樹脂の選定
主要なFRP用樹脂の一般的な対薬品性の目安 各樹脂の対薬品性の比較(JIS K7012抜粋) |
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備考 ◎ : 優 、 ○ : 良 、 △ : 可 、 × : 不可
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2.ガラス繊維等の補強材
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1.内溶液(物)の種類 酸性,アルカリ性,有機塩類他の溶液
化学反応性、反応生成熱、摩擦〜磨耗性、粘度、場合により 腐れしろを当初より考慮しておくこと。 |
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2.温度
FRP設計温度は-30℃〜95℃以内とし対応年数(7年間)を考慮すると 最高85℃(溶液の場合)迄とすること。 |
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3.圧力,応力
繰返し応力、クリープ、熱応力。 配管製作の場合、使用圧力を充分に検討し材料選定を行うこと。 |
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4.大きさ(容量)
構造物のサイズは強度面、加工面から材料選択上重要である。 運搬時の陸送、海上輸送等考慮のこと。 |
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5.形状
ほぼ好みの形状が確保できる。 |
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6.風圧,積雪,地震対策
係数がある(JIS K7012による) |
耐蝕樹脂による完成製品について後硬化(アフターキュアー)を充分に施工したかどうかによって顧客の
要求する耐用年数にかなりに影響が出てきます。 充分な性能を得るためには必ずアフターキュアーを施工することが大切です。 アフターキュアー目安として60℃以上〜120℃迄の高温送風にて1時間程度。 硬度の目安、30以上(バーコール硬度計・GYZJ-9341による・JIS K7060) |
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【参考図書】 耐蝕貯槽等の外観検査基準許容差については JIS K7012-1992解説 強化プラスチック製積層板の機械的性質の最小値について JIS K7012-1992解説 設計基準採用値があります。 |
1.木型・樹脂型の製作
鏡板部は10%皿形鏡板(SS400)を型にしてFRP積層して何度も使用出来るようにマスター型として保存しておきます。直胴部は木型を作りテトロンフィルム(35〜70μ)を巻きつけたものを利用します。 |
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10m3攪拌槽製作手順 胴部製作(φ2300)木型にフィルムを巻き付け後積層 |
2.積層行程、脱泡行程
積層は通常一度に4プライ迄としてノボラック系樹脂の場合はプライス数を減らします。(マットの重なり部は厚み大となり樹脂発熱温度が高くなって耐蝕性が劣りますのでマットは少しずつずらして置く事)。 |
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10m3攪拌槽製作手順 胴部厚み8o積層完了 |
3.寸法調整 本体部の製作寸法を決めると同時に“ケガキ”を入れ 部品付けを行います。 |
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底板部積層完了 |
4.部材取付 マンホール、各ノズル付は槽内、槽外の厚みが変わりますので強度不足に成らないよう取り付けサイズ外径幅以上に積層する事です。 |
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上部天板 金物補強材組立中(最終は全面FRPライニング゙) |
5.仕上 バリ取り作業(サンダー、サンドペーパーー)の後、樹脂コート塗布。ゲルゴート塗布し仕上を行います。 |
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直胴部寸法調整(裁断) |
6.総点検 完成後、槽内アフターキュアー(60℃1時間)を行い総合検査をして施工完了とします。
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底板と直胴部組立 | ||
部品取付 (マンホール及びノズル) |
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